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解説編その2:相続財産の範囲

 相続の対象となる財産にはどのようなものがあるでしょうか。民法によれば、被相続人が亡くなったときに持っていた財産全部が相続の対象となります。
 具体的には以下のとおりです。

1.不動産・動産・金融資産など

 被相続人が所有する不動産、動産(家財道具や現金など)、預貯金・株式・投資信託・ゴルフ会員権などの金融資産、他の人に対する貸金や損害賠償請求権等の債権などです。株式というのは、上場されている株式のほか、被相続人が経営していた会社の株式なども当然含まれます。借地権や保証金返還請求権といった権利もすべて含まれます。要するに、プラスの財産はすべて相続の対象となるわけです。

2.借金・未払金など

 借金や未払金、損害賠償債務のようなマイナスの財産も相続の対象となります。

3.生命保険は?

 被相続人が掛けていた生命保険の保険金は、保険金受取人に指定されている人が生命保険の契約によって固有の権利として取得するものですから、基本的には相続の対象となる相続財産には含まれません。ただし、相続税の課税対象財産には含まれます。民法の定める遺産の範囲の問題と相続税の課税対象財産の範囲の問題とは、このように少しずれがあることに注意してください。

4.死亡退職金や公的な給付金は?

 被相続人が会社の従業員や役員であった場合に、所定の手続きを経て支払われる死亡退職金や、公的に給付される弔慰金、遺族年金その他社会保険からの給付金も、受給権者である遺族が固有の権利として取得するものですから、相続財産には含まれません。ただし、死亡退職金のうち一定額以上の部分は相続税の課税対象とはなります。これも、民法の定める遺産の範囲の問題と相続税の課税対象財産の範囲の問題とのずれの1つです。

5.被相続人死亡後の収益は?

 被相続人が死亡時に有していた財産から死亡後に生じた収益(たとえば、貸していた不動産から死亡後に生じた賃料や、預貯金の死亡後の利息など)や逆に発生した経費(たとえば不動産の固定資産税や管理費)は、相続財産そのものには含まれません。しかし、遺産分割の際にこれも合わせて、相続人の間で誰が取得し、あるいは経費負担するのかを協議によって決めることはもちろん可能ですし、実際にもそのようにすることが多いです。

6.他人名義の財産などは?

 被相続人の名義の不動産であっても本当は被相続人の所有でない場合とか、被相続人名義の預金であっても本当は他の人の預金であって被相続人が名前を貸していただけの場合は、それらの財産は相続財産から除かれます。逆に、他の人の名義の不動産であっても本当は被相続人の所有である場合や、他の人の名義の預金であっても本当は被相続人の預金である場合は、それらも相続財産に含まれることになります。

7.専門家が必要となる、複雑な場合は?

 以上いろいろ挙げましたが、プラスの財産のほかにマイナスの財産もいろいろある場合や、4のように生命保険金や死亡退職金の金額や契約関係をめぐっての調査が必要な場合、5のように相続財産からその後に収益が生じている場合、6のように相続財産と他の人の財産が混じっている場合など、判断が難しい場合も多くありますので、そのような場合は、弁護士や税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

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